ポケットコイルは渦状のバネを筒状の布(ポケット)に包んだ構造のスプリングで、荷重が加わるとひとつひとつのスプリングが独立して荷重を支えます。座る人の体型や姿勢に合わせて『面』ではなく『点』で沈みます。Sバネと比較するとわかりやすいのですが、Sバネの場合、座面の中央部には弾力があっても、端にいくにつれて硬い座り心地になってしまいますが、ポケットコイルはどの箇所に座っても均等でフィット感のある座り心地です。しなやかな弾力性と加重の分散性にも優れているのです。また、隣の人が立ったり座ったりしても振動が伝わりにくく、きしむような不快な音がしにくい、という特徴があります。
ポケットコイルの名を他で聞いたことのある人もいるかもしれません。ポケットコイルはソファーだけでなく、ベッドのマットレスにも使われるスプリングです。マットレスにはポケットコイルやボンネルコイルを使ったものがありますが、硬めの作りのボンネルコイルよりも、柔らかい作りのポケットコイルの方が日本人好みで人気があるようです。個人の好みもありますが、毎日使うソファーにも柔らかい座り心地を求める人が多く、ゆったりとくつろぎたいと願う人に選ばれています。
ポケットコイルはウェービングベルトやSバネに比べて上下の圧力に強く、耐久性に優れています。ソファーに使われるスプリングには様々な種類のものがありますが、ボンネルコイル>ポケットコイル>コイルスプリング>Sバネ>ウェービングベルトの順に耐久性が優れているといわれています。ポケットコイルはボンネルコイルと比べ使うコイルの量も多く、コイルをひとつひとつ袋に入れる作業などもあり手間がかかることから、高価なものとされ、ソファー自体の価格も高くなる傾向にあります。しかし、他のスプリングに比べて木枠への負荷が少なく、ソファ自体の寿命が長くなることから、長期間使用するのであれば、非常にコストパフォーマンスに優れたものと言えるでしょう。
ただし、ポケットコイルでも、ソファによってコイル自体の素材や太さ、巻き数も異なります。コイルに使用される素材は硬鋼線やピアノ線などですが、硬鋼線よりもピアノ線の方がより耐久性に優れた質の高い素材といわれています。コイルの太さや巻き数まで調べるのは難しいかもしれませんが、ポケットコイルが使用されたソファの購入を検討する場合には、コイル自体の素材についてもチェックしておくと良いでしょう。
「和室にソファーを置くとせっかくの雰囲気が壊れるから嫌だなぁ」と思っている人も多いでしょう。そんな人には、畳にローソファー!雰囲気を崩すことなく、一歩進んだインテリアを楽しめます。